Story

夢を見、夢を追い、夢を叶えたい。
ROYAL CRYSTAL COFFEE 鳥羽 博道

夢を見、夢を追い、夢を叶えたい。
ROYAL CRYSTAL COFFEE 鳥羽 博道

STORY

17歳の時、ある運命的な出会いからコーヒー業界に入った私は、いつか本場ブラジルでコーヒーについて学びたいという夢を抱いていました。
そして20歳の時、その夢は現実のものとなりました。『あるぜんちな丸』で横浜港を出向。船は、ロサンゼルス、パナマ運河を経由してベネズエラに寄港。
その後、キュラソー島を経てブラジル最初の都市レシフェに到着。そして、リオデジャネイロや世界最大のコーヒー輸出港サントスを経て、ようやく目的地サンパウロに到着しました。
横浜港を出港してから42日間の航海でした。

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南米の中でブラジルだけはポルトガル領だったせいか、イタリア移民も多く、街はヨーロッパ風で、中心部においては日本より遥かに華やかでした。
しかし、1歩郊外に出て、コーヒー農園を訪れると、そこは広大で地平線の彼方まで続いていました。日本の1県に等しい面積を所有する大農園主もいました。
中には農園内に滑走路をつくり、自家用機を所有する人さえいました。
そんな情景を見るにつれ、いつか自分も農園主になってみたいと、夢を抱くようになりました。

約3年間のコーヒー修行ののち帰国。帰りの航路は、オランダ船『ルイス号』でサントス、リオデジャネイロ、ケープタウン、ポートエリザベス、イーストロンドン、モーリシャスを経てインド洋に出て、ペナン、シンガポール、香港と寄港し日本へ。門司港、瀬戸内海を通過し、やがて船は神戸港に到着。

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帰国後は、渡航前に勤めていたロースターで再び働くこととなったわけですが、どうしても許せない出来事があり、独立を決意。
自分が理想とする『厳しさの中にも和気あいあいたる会社』をつくりたいという思いから、24歳で株式会社ドトールコーヒーを創立しました。
社員同士が仕事のうえで切磋琢磨しながら、たがいを認め合い称え合う、そんな会社をつくりたかったのです。
しかし、20代の若者が、わずか数人でスタートしたコーヒーロースターです。当然、資金力も技術力も、信用もありません。
何度も倒産の危機に出会いながらも、得意先やお客様に助けられ、事業規模を少しずつ拡大させることができました。
そんな過程の中で、いつか世界一のコーヒーをつくりたい、本当においしいコーヒーを提供する店舗を自分の手でつくりたい、という夢が次第に膨らみ、やがてコーヒー専門店『カフェ・コロラド』を開店。

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当時としては画期的な明るく健康的な店づくりと、1杯1杯サイフォンでいれたコーヒーが評判を呼び、自分も経営したいという方が数多く現れ、やがてチェーン展開へとつながっていきました。
『カフェ・コロラド』は順調に店舗数を増やし、250店を超える規模まで成長しましたが、その一方で私には非常に気がかりなことがありました。

それは、1970年代に入り、諸物価の上昇にあわせてコーヒー1杯の価格も年々上昇していたことです。もっと手頃な価格でより多くの方々においしいコーヒーを楽しんでいただきたい…。
そんな願いから誕生したのが『ドトールコーヒーショップ』です。コーヒー1杯150円(当時)。一般の喫茶店のコーヒー価格の半額でした。
画期的なマシンによるコーヒー抽出やセルフサービス方式を取り入れることにより、決してコーヒーのクオリティを下げることなく、低価格を実現したのです。

しかも、店づくりは、木材をふんだんに使用した親しみあるデザインとし、コーヒーカップやスプーンのフォルムまでこだわり、すべてオリジナルとしました。
このような斬新なコンセプトが多くのお客様からご支持をいただき、『ドトールコーヒーショップ」は、立地によっては1日1,000名前後のお客様にご来店いただく繁盛店へ成長。店舗数も年々拡大して、現在では1,100店以上となっています。

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『カフェ・コロラド』や『ドトールコーヒーショップ』の成功にあわせて、会社も順調に成長してきましたが、それと同時にブラジル時代に夢見たコーヒー農園を持つという思いが次第に膨らんできました。
ただ、コーヒーの本場ブラジルはあまりに遠く、農園の維持や管理を考えると、きわめて困難な事業となることは明白です。
どうしたら実現できるか、と模索していたある日。師と仰ぐ先輩経営者からハワイ島の別荘に招待されました。そのベランダからの眺望こそが、まさに天国、パラダイスでした。目の前には一面のコーヒーの樹が生い茂り、眼下にはコナの街並み、その先に広がるコバルトブルーの海。
瞬時に、ここに観光農園をつくろうと決心しました。
以後、紆余屈折はあったもののハワイ島コナ地区に土地を購入し、大規模な造成を施しました。

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そして、コーヒーの樹を植えて、観光コーヒー農園を開園。やがて育ったコーヒーを収穫できるようになり、現在では20万坪に規模を拡大し、コーヒーエステート『マウカメドウズ』として、高品質なコナコーヒーを栽培するに至っています。
収穫されたコーヒー豆は日本に輸出され、『ドトールコーヒーショップ』を始めとする多くの店舗で使用されています。

このようにして会社も次第に規模を拡大し、コーヒー業界初となる店頭公開、株式一部上場という企業人としての夢も果たすことができました。
そこで68歳になった節目に、ドトールコーヒーの代表取締役を退任することといたしました。現在、名誉会長という役職をいただいていますが、経営にはいっさい携わっていません。

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退任後、銀座に自分なりの建築美を追求したビルを建て、そこにアンティークカップで上質なコーヒーをお楽しみいただける『ロイヤルクリスタルカフェ』を出店し、コーヒー文化を未来へ継承する方法を模索してきました。
世界一のコーヒーづくりをめざすプライベートロースターを開設するとともに、これまで収集したアンティークデミタスカップやコーヒーミルを展示したい…..。夢は次第に膨らんでいきました。

そして、ようやくたどり着いたのが、自分が理想とする古き良き時代のヨーロッパの館を彷彿させる建物を建て、焙煎施設や優雅なカフェをつくるとともに、デミタスカップやミルも展示するという構想です。その夢と構想が結実したのが、自由が丘に開設したROYAL CRYSTAL COFFEEです。
ここに歴史に名をのこす301客におよぶデミタスコレクションと80個のアンティーク・コーヒーミルを展示し、ご来館いただくお客様に自由にご覧いただけるようにいたしました。

あわせて、コーヒーファクトリーを併設。コーヒー生豆のエイジングルーム(熟成庫)、コーヒーロースター(焙煎機)、ドリップコーヒー・パッキングマシンを設置し、大量生産方式では決してできない、プライベートロースターならではの理想のシステムを追求しています。
こちらでは、コーヒー生豆の熟成から焙煎、パッキングまで、コーヒー生産の一貫した流れをご覧いただくことができます。
また、2階にはゆっくりおくつろぎいただけるカフェが…。ファクトリーで生み出されたコーヒーはもちろん、アフタヌーンティーをゆっくりとお楽しみいただけます。優雅でちょっと贅沢な空間で、親しい方々との会話のひとときを、ゆったりとお過ごしください。

夢を見、夢を追い、夢を叶えたい―、
という永年の想いが、やっとひとつ実を結びました。
ロイヤルクリスタルコーヒー。
世界一のコーヒーをつくりたいという私の夢と、60余年におよぶ私のコーヒー人生のすべてを込めたコーヒーギャラリーです。